島風食堂（しまかぜしょくどう）名古屋市中区新栄3丁目23-3　TEL(052)263-5286　
怪しいけれど、不思議と居心地のいい、めしやです

力強い朝日で目が覚めると、ホテルの一室で見知らぬ女と二人だった。
頭がはっきりしない。どうやら昨日、飲み過ぎたみたいだ。
「またやっちまった。」
そうつぶやいたオレだが、いつもの事かと思い直して笑った。
どこかで引っ掛けて、拾ったのだろう。どういう流れでホテルに居るのかは全く記憶が無いが。
記憶が無いものは仕方がない。しかし、お互い裸で寝ているということは、そういう事なのだろう。
おもむろに、女の肌にふれてみる。
「キャー！」
いきなり大声をだすなよ。女の叫び声が頭に響く。
「なにこれ、どうなってんの。あんた、ダレ？」
と、女が騒ぎだす。この女も覚えていないのか。
「まい、いいじゃないか。そんな事より、もう1回・・・」
全部は言わせてもらえなかった。オレの言葉に被せて女は言った。
「サイテー。このタコ野郎！！！！！」
なに！？イカでイカンのか？ orz

「信じられない」
何度目だろう。この女にこう言われたのは。
「もう二度と浮気しないって約束したじゃない。」
「すまん。だが、オレは浮気はしていない。ただ、女とホテルに行って泊まったらしいというだけだ。
何もしていない。誓うよ、絶対。」
その女と男女の関係になったかどうか、オレは全く記憶が無いし、女も記憶が無かった。
だから、やったかやっていないかと問われると、正直やっていないという気持ちだ。
「女とホテルに行って何も無いって？意味わかんない。ホテルに行っただけで、もうすでに浮気だし。
サイアク。このブタ野郎！！！！！」
なに！？イカでイカンのか？　orz

扉を開いた途端、控えめなBGM。小さくボサノバが流れ出してきて、カウンターのマスターと目が合った。
「いらっしゃいませ。」
この店に来たのは、二カ月ぶりだった。
「あら、いい男じゃない。ちょっといっしょに飲まない？」
女から誘われるのは、悪くない。今日はいい日になりそうだ。
マスターにビールを頼み、女のテーブルに近づく。乾杯して一気にビールを飲み干す。
と、そこから記憶が無くなってしまった。つくづく自分のアルコールの弱さが恨めしい。
「ねぇ、起きなさいよ。使えないわね、この男。しょせんヒヨッコね。」
なに！？イカでイカンのか？　orz

イカのイラストは、長新太先生の絵本を参考にさせていただきました。
トップページの写真は、島風食堂のファンの方のブログから使用させていただきました。
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